創立114年の伝統を礎に、
時代の最先端を取り入れる。
東洋女子高等学校
創立114年を迎える東洋女子高等学校(以下、東洋女子)は、生徒一人ひとりの個性を輝かせる教育を理念とした伝統ある女子校。
近年では、全教室と体育館に電子黒板を導入したり、校内無線LANを配備し、タブレット端末を一人1台使えるようにするなど、ICT時代に対応する女子の育成にも積極的に取り組んでいるのが特徴だ。
伝統を大切にしながら時代の最先端を取り入れている東洋女子が、体操服のリニューアルに際し、アディダスを採用することになった経緯はどういったものだったのか。また、インドアシューズとグラウンドシューズ、靴下もアディダスというトータルコーディネイトの効果などをレポートする。
学校が変わるタイミングでのリニューアルで、
東洋女子のオリジナリティをアピール。
「実は体操服については、ずっと変えたいと思っていたんですがタイミングがありませんでした。創立110年を迎える前から、校舎の改装が始まったこともあり、『チャンスだ!』と思って、体操服のリニューアルを提案しました」。
採用検討の際には3社の競合となり、サンプルを着せたマネキンを見て教員が投票した。結果はほぼ満票でアディダスだったという。「その結果を校長に報告し、最終判断は校長がしましたが、『かっこいいじゃないか』とひと言。すんなり決まりました」。当初は学年別のカラー設定も考えられており、サックス(水色)、赤、黄、緑の4色が提案されていたが、「サックスが女子校らしくてキレイ。これに統一してはどうか」という声が多くサックス1色となった。
2017年度からはソックスも、2018年度からはインドアシューズとグラウンドシューズもアディダスに統一されたが、リニューアル当初は体操服だけだった。ソックスは白基調のものを推奨していたが、生徒は華やかな色を履きがちだったという。「せっかく体操服がアディダスで揃っているんだからもったいない、という声が上がっていたところにソックスの提案があった。紺色が基調で汚れにくい、名前が書けるように白い枠もある、これはいい!と女性教員たちからも支持を得て即決しました」。
また、生徒の胸元にはアディダスのマークと学校ロゴが入っている。学校ロゴについては入れなくてもいいのではという案もあったそうだ。「しかし、学校としてのオリジナル性を出したかった。この体操服は部活の試合でも着ていくので学校のアピールにもなる。私学である以上、広報的にも宣伝したいという思いもあり、現デザインに決定しました」とのこと。
神田先生はソフトボール部の顧問として、都立・私立の他校との合同チームで練習の機会もある。他校の先生たちは、体操服で練習している東洋女子の生徒をみて、まず、アディダスであることに驚き、「ソックスまでアディダスなんですか!」とびっくりされるという。このような積み重ねが、東洋女子のブランドイメージを創りあげていくのだろうと実感した。
8サイズ展開のウィメンズラインが、
女性らしさを引き立て生徒を輝かせている。
東洋女子のアディダス体操服はウィメンズシルエットを採用。女性らしいラインを生かしている。その点も含め、アディダスが教員、生徒からどのように評価されているか、ダンス部顧問で生徒指導部主任の白髪先生にお話を伺った。
「今回の取材の前に生徒からの意見もリサーチしてみました」と心強い。生徒の意見としては、「Tシャツがおすすめ!と言っていました」とのこと。汗の吸収が速く、濡れてもすぐ乾くので、一日着ていてもサラサラ感が続いている。また、ラグラン袖で肩周りと腕の部分がゆったりしているので動きやすいというのが主な理由だ。
東洋女子では1月~3月まで7、8回、授業でヨガを取り入れている。いま世界のビジネス界でも注目されているマインドフルネスを、高校生にしてすでに体感しているのだ。その際にはアディダスのTシャツ、ハーフパンツを着用しているそうだが、薄くて軽いからより動きやすく、生徒は集中して取り組んでいるという。
ジャージについては、実際に手にしていただきお話を伺ったところ、脇の切り替えだけでなく、肩の部分にも切り替えがあることを再確認された。「手が長く見えますよね。よくよく見ると、そこまで考えて作られているんだと、いま気づきました。女性のしなやかなラインが引き立つと思います」と。
体操服は体育の行事だけでなく、毎週水曜日の放課後、全校生徒が時間をかけて丁寧に掃除をする『丁寧掃除』の時間にも着用されている。モップだけでなく雑巾がけをする場合もあるので体操服の方が機能的だからだ。ヨガに掃除という、私立の女子校ならではの特徴的な時間にもアディダスの体操服は活躍しているようだ。また、教員サイドでも、体育祭用に全員揃って黒に白いスリーストライプのアディダスのシャツを着て教員の一体感を盛り立てている。
このように、白髪先生のお話からも、また、取材中に生徒自身から聞いた言葉からも、アディダスの体操服は、すでに東洋女子のスクールライフに溶け込んでいるといっても過言ではないだろう。
人工芝仕様のグラウンドシューズは
ソールの違いが圧倒的。
体操服リニューアルの2年後にインドアシューズとグラウンドシューズもアディダスに決定。そのいきさつを前述の神田先生に伺ったところ、以前使用していたシューズが廃番になるタイミングだったようだ。
数社で検討したところアディダスに決まったという。「検討の際、体操服とシューズを合わせて着用した時に統一感の出るトータルコーディネイトという要素は、やはり大きかったかもしれません。シューズ本体の色は決まっているので、今後はシューレース(靴紐)の色を変えることを検討しています」とのこと。
アディダスのグラウンドシューズは人工芝仕様で、「なによりソールが違う。部活の練習でも他のシューズを買う必要がないと思います」。グリップの性能が高いので、止まれる、走れる。地面をキャッチして力強く蹴りだせるのだ。さらにつま先はしっかり保護され、サイド部分はパンチングで通気性も良い。ソフトボール部ではウォームアップにラダートレーニングを行っている。
細かいステップで正確な体重移動をマスターするために欠かせないこのような地道なトレーニングの際にこそ、グラウンドシューズの切り返しのしやすさが際立っていると評価されていた。
五感を研ぎ澄まし感性を磨き、
発想力のある人物になってほしい。
学校は勉強を教えるだけの場所ではない。人格形成の場。感性を育てる場だと思っています。
東洋女子高等学校は伝統ある学校ですが、その伝統を大切にしつつも時代にふさわしいウェアは必要です。体操服の場合は、生徒たちが体育祭や行事でも着たいと思うかが重要。アディダスを導入した際、私はアディダスというブランドを詳しくは知りませんでした。しかし、実は知らない時から親しんでいました。たまたま手にしたデザインがかっこよく、手触りも良いと。
今回、アディダスがヨーロッパ生まれのブランドと聞いて納得しました。伝統の力がある。空気が違う。ファッション性がありながら落ち着きがある。東洋女子の体操服として調和がとれていると思います。アディダスを身につけて生徒たちの笑顔もパッと変わりました。おしゃれに敏感な年頃の生徒たちの感性に響いたのでしょう。
私は以前、企業人としてプログラムを開発をしていました。機械工学の知識を持っていたわけですが、新しい発想を得るために欲したのは自分の専門外の知識です。
アップルの創業者スティーブ・ジョブズは、尊敬する人物からの言葉に感銘を受けたそうです。それは『文系と理系の交差点に立てる人こそ大きな価値がある』という言葉。私が生徒に日頃から言っているのはまさにそういうことです。理系は苦手だからといって学ぶ機会を失うのは損だよ、新しい発想というものは異種との出会いで生まれるんだからと。いちばん大切なことは得た知識をどう使うか。そこで重要なのは感性=センスだよと。
では、感性を磨くためにはどうすればいいか。それは自分の五感を磨くこと。
五感を駆使しなさい。「裸足で土を感じたことがありますか?」「風を感じたことは?」いろんな刺激を受けることで、感性を磨きなさいと言っています。
東洋女子で感性を磨き、発想を変える力を身につけて、卒業後は人のため、世のためになる人物になってほしいと思っています。