開学125年。三鷹の地で75年。
一人ひとりの夢に寄り添う。

大成高等学校

大成高等学校(以下、大成高校)は、開学125年、三鷹に移転して75年という伝統と歴史を守りながら、時代を見据えた進化を続けている。

単なる普通科の課程ではない「Educational System3+1Courses」という学びの目的を明確にしたシステムで多様なコースを設定し、確実な基礎学力の定着と進学重視のカリキュラムを展開。

一方で、生徒の90%以上がクラブ活動に参加し、全日本ジュニア選手権優勝の硬式テニス部や、全国大会出場経験を持つサッカー部、歴史ある吹奏楽部をはじめ、文武両道で輝いている。

今回、大成高校が全国の学校に先駆けて導入したのは、アディダス・スクールカテゴリーの新モデル「NARRATIVE(ナラティブ)」。その名が意味するのは「物語」だ。

アディダスの体操服との出会い=導入はどのようなものだったのか。多感な時期の子供たちの成長物語を支えるパートナーとして、体操服がどのように役立っているのかをリポートする。

求めていたのは「体操服からの脱却」。
大成高校とアディダスの物語がはじまった。

大成高校がアディダスの体操服を導入したのは2021年4月。導入のいきさつについて、窓口を務めた体育科の藤倉先生にお話をうかがった。

「以前の体操服は、学年ごとに赤色、緑色、青色の上下のジャージだった。目立つ色だったので、体操服が変わるならベースとなる色は変えてあげたいと思っていました」と当時を振り返る。

アディダスも含めて数社から検討したが、「『ザ・体操服』と言えばいいのか。昔ながらの体操服っぽいものにはしたくなかった。アディダスなら『体操服からの脱却』ができると思いました」。

当時提案されていたアディダスの長パンツは裾のシルエットがストレートだったが「もう少しアスリートっぽいものはないか」とリクエストしたところ、偶然にもアディダス・スクールカテゴリーに「NARRATIVE(ナラティブ)」という新モデルが登場。裾が締まった長パンツのシルエットが、アスリート色を醸し出したスタイリッシュなデザインだ。

ADSSではスポーツアパレル業界の流行から遅れをとらないよう、6年周期で体操服に改良を加えた新デザインを開発している。まさにそのタイミングだったのだ。

ストレートタイプでも「アディダスがいいね」と言っていたところに、新モデルの登場で、話は一気にすすんだ。予算的にも以前の体操服からほぼ変わらずに抑えられたことも導入の決め手となった。肝心の色については、「学校としての一体感がでるのではと考え、全学年スタイリッシュな紺色の上下に決定。学年色は名前の刺繍の色を変えるだけにした」。

結果、大成高校は全国のどこよりもはやくナラティブを採用した学校の一つとなったのだ。

サッカー部顧問でもある先生は、サッカーブランドとしてのアディダスにもともと親しみがあったが、「誰が見てもわかるブランドのチカラ」を目の当たりにしたという。入学前、学校に来た生徒たちが展示されている体操服を見て、「これが体育ジャージなんだ。アディダスなんだ!」と喜び、わいわいと写真を撮っていた。「ああ、こういう反応になるんだ」と実感した。

「アディダスブランドが学校の一部になる。生徒たちは在校中も卒業後も、自分がブランドを着ていると意識して体操服を大切に着てくれるだろう。大人になったとき、本物を選ぶ基準のきっかけのひとつになってくれたらうれしい」と目を細めた。

体操服に求めていた改善点も
アディダスの体操服ならクリアできる。

男子硬式テニスの顧問、鴨下先生は赴任3年目。まず、体操服に対するご自身の感想を伺った。

「アディダスに体操服のイメージがなかったので、すごいな、と。家族にも話したら『めずらしいね、おしゃれだね』と言われました。特にうちの体操服は裾がシェイプされた今風のデザインで、スタイルが良く見える」と、見た目の良さを評価していただいた。

取材時にはアディダスの体操服が導入されて半年を迎えていたが、生徒たちの反応はどうだろうか。

「今まで体育の授業で、長パンツにTシャツという組み合わせはほとんど見たことがなかった。3年間、長パンツを履かずに終わる生徒も多い印象でした。今年の1年生は、この半年、長パンツを履いている生徒も多かった。着ていて軽くてカッコいいんだと思います」とのこと。

今までの体操服に比べて、軽くて薄いのは、ジャージの生地に秘密があった。従来のジャージは緯編(よこあみ)だが、ナラティブのジャージは経編(たてあみ)のトリコットという生地を使用している。耐久性、吸汗速乾性に優れ、汗をかいてもべたつかず快適に運動できるのだ。

3学期になると1、2年生の授業はマラソンが中心となる。防寒の面からジャージの下に自前のトレーナーを着て走る生徒も多いが、ずっと走り続けると暑くなって、最後は半袖短パンになるという。「冬場の体操服には軽くてあたたかいことが一番に望まれる。体温調整のため、脱ぎ着もしやすい方がいい」と、鴨下先生。

アディダスのジャージは脱ぎ着がしやすいのはもちろんのこと、ナラティブのジャージ生地は編目が細かく防風性のある生地。そのうえ伸縮性と吸汗速乾性にも優れている。

自前のジャージを着こむ必要もなく、蒸れることも少ないだろう。ジャージを正しく身につけるだけで、自然とパフォーマンスの向上が期待されるため、最初から最後までジャージの上下で走りきる生徒が続出するかもしれない。「体操服への要望が、アディダスの体操服になって実現できそうでよかった!」と、鴨下先生は力強く答えてくれた。

コロナ禍の新しい生活様式への対応にも
アディダスの体操服が役立っている。

アディダスの体操服について、生徒たちの反応はどうだろうか。バスケ部顧問の小沼先生に伺ったところ、「すごくかっこいい!と言っている生徒が多い。生徒が動いている様子を見ても以前の体操服と比べて軽そう。フィット感もあるからか、『動けている』というイメージ」とおっしゃった。

さらに、「生徒たちはとても涼し気に見えます」と、通気性の良さにも言及されたのは、コロナ禍で生まれた新しい生活様式にも関係がある。

取材時、緊急事態宣言は解除されていたとはいえ、コロナ対策は引き続き厳重に行われていた。体育の授業でも基本、マスクを着用。競技内容や場所、気温に合わせてマスクの着脱をコントロールしている。

「マスクをつけると顔が熱でこもるし、熱中症、脱水症状の危険も増える。密になる場所ではマスクをするしかないから、せめて少しでも涼しい格好をさせたい」と言われた。アディダスの体操服は抜群の通気性、速乾性を備えている点で、先生の安心度も高まっているようだ。

今年の6月には学年分散で体育祭も開催した。「1年生の日は全員アディダス。とっても新鮮でした。今までは学年色があったけど、今後は全員同じ色。再来年には3学年全員アディダスになる。同じ色がずらっと並ぶと壮観でしょうね」とのこと。

小沼先生は、また、アディダスの体操服のシルエットにも注目されている。「生徒たちは周りの目を気にする年頃なので、服装に関してもおしゃれなものを着たがる。体操服が新しくなるにあたって、身体のラインを気にする女子のことは気にかけていました」。

多感な時期なだけに注意が必要な点だが、今のところ問題はないようだ。「事前にきっちりと採寸して、見え方もチェックしてサイズを決められるのもありがたい。アディダスはカッコいいからカッコよく着たいという心理もあるのかなと思う」とのこと。なるほど、ブランドを信頼して自分に合うサイズを着用するのが一番キレイに見えると、生徒たちもわかっているように感じた。

勉強も部活も一生懸命。
未来への土台をつくる3年間を。

大成高校は、2021年に開学125年を迎えました。西欧文明に追いつくために国を挙げての近代化が求められていた明治時代、日本の近代教育に先鞭をつけた杉浦鋼太郎先生が創立者であり、先生が抱き続けてきた「大器晩成」という言葉が校名の由来です。時代は変わりましたが、「生徒を生かす学校」である精神は変わっていません。

学力を身につける、部活動にも積極的に取り組む、生徒自治を大切にする、規律を持つ。この4つを柱に据えたうえで、生徒たちがあらゆる事柄に対して自ら選択できるよう、多様な選択肢を用意しているのが特徴です。今回、わが校で導入したアディダスの体操服のブランドコンセプトが「子どもたち一人ひとりが主人公の物語を紡いでいく」とのことで、わが校の教育理念と重なるところがあると思いました。

高校3年時の進路選択は、著名大学に進むことが目的ではありません。高校生活の3年間を通して興味関心を得たものはなんだったか、自分はなぜその進路を選ぶのかを考える。一人ひとりの生き方をしっかりと検討したうえで目指す進路にすすむという、自己実現を図って欲しいのです。

私が最初に生徒に会ったとき、「ここの生徒は、高校生らしい顔をしているなぁ!」との感想を持ちました。なぜ、そのように思ったのか問われると、私は自信を持ってこう答えます。

「わが校の生徒たちは、高校生としてバランスがとれているからだ」と。生徒たちは、進路実現を可能とする学力を身につけるために勉強に励むだけでなく、部活にも一生懸命取り組んでいます。例えば、部活の部屋が乱れている。これをどうするか、生徒自身で考えて実行する。

その過程ではケンカになるかもしれない。面倒かもしれない。しかし、社会に出るとそういう場面はよくあることです。部活動という組織の中で、生徒たちは人間関係も学んでいくのです。

生徒たちには、大成高校で、若者らしく存分に手足を伸ばしてイキイキと毎日を過ごし、社会に出てからも自主的に生きてほしいと思っています。