一人ひとりの可能性を引き出し
挑戦する気持ちをサポートする。

聖光学院高等学校

福島の野球強豪校として有名な聖光学院高等学校(以下、聖光学院)は、野球だけではなく、サッカー、女子バレー、剣道、陸上など多くの部が全国レベルで功績を挙げている。また、国公立、難関私大を目指す進学コース、福祉コース、工業系学科も充実しており、一人ひとりの才能を最大限に活かすためのサポート体制が充実していることも特徴だ。今回は導入のいきさつから、導入後、アディダスの体操服が生徒にどのように受け入れられているのかをレポートする。

学校の「生徒募集」という課題に
スポーツブランドの体操服導入を決断。

聖光学院といえば、高校野球・春の甲子園大会(*1)に4度、夏の甲子園大会(*2)には11年連続14度の出場を果たした強豪校として全国に名をとどろかせている。数々のトップアスリート達を育成してきたカリスマ監督・斎藤先生に、アディダス導入の経緯を伺うことができた。

体操服のリニューアルに取り組んだのは8年ほど前のことだが、「当時、学校のある地域は子供の数が減少し、この先も激減期を迎えることは必至だったので、学校としては、『生徒募集』というテーマに早急に取り組む必要があった。学校の将来を考えたとき、体育科としては体操服にブランドを取り入れたかった」と、当時を振り返る。以前の体操服は、ノーブランドの全身紺色のジャージの上下。スポーツブランドの候補が各社挙がったが、アディダスに決まるのは早かったという。

「コスト面とブランド力の兼ね合いをみて、アディダスがベストだった」。

「体操服をスポーツブランドにすれば、保護者の出費負担は増える。生徒募集にあたり、一見矛盾にも思えるが、それでも生徒たちには、より良いものを着せよう、その方が生徒としても着る甲斐があるんじゃないかと。それは大きな決断だった」。なるほど、アスリートが集う聖光学院の生徒たちなら、スポーツブランドの体操服ならではの機能性にも特に敏感だ。そして今、生徒たちはアディダスのブランド価値と機能性を実感している。

アディダスに決まってからは、素材・デザインを詰めていった。その際には、生徒目線を重視した。背中に漢字で大きく「聖光学院」といれる案があったが、その案は採用されなかった。「体操服を体育の授業以外でも使ってほしいという思いがあったから、漢字よりもかっこいいマークが入っている方が喜ぶだろうと。

いま生徒は、部活動、遠征先、日常でも、アディダスの体操服を好んで着ている。それは、アディダスブランドを身につけることが、聖光学院の生徒としての誇りに繋がっているからではないか」先生の想いは、確実に生徒へと伝わっているようだ。
*1 選抜高等学校野球大会  *2 全国高等学校野球選手権大会

リニューアルを決めた8年前、
アディダスの体操服導入は衝撃的だった。

サッカー部顧問の山田先生にadidas導入前後の様子をお話を伺った。
「当時は、スポーツブランドの体操服はほとんど聞いたことがない時代。福島県で聖光学院の体操服がadidasになったことは『衝撃的』だったと思います」と大きく目を見開いた。いまから8年ほど前のことを感慨深く思い出されている様子が印象的だ。

interview

adidasのデザインと機能性についてお伺いしました。

――― 導入から年数がたっていますが、デザインを変えたいと思ったことはありませんか?

山田先生
adidasはベーシックな3本線だからこそ、むしろ飽きることがないですね。
うちのadidasの色・デザインは、すっかり聖光学院のイメージとして定着した感じがします。

――― 学年ごとに3本線を色違いにされていますが?

山田先生
遠目でも学年の見分けがつきやすいようにしたかったからです。学年ごとの色は、濃紺と組み合わせて生徒が好きそうな色はどれだろうと考えました。鮮やかなイエローは即決。次にブルー。最後にオレンジと赤を検討しましたが、生徒により好まれるのは明るめのオレンジでは?という理由で採用しました。

――― 今年度から1年生用の体操服がより機能性の高い新しいモデルへ変わりましたが、いかがですか?

山田先生
肌触りが良く速乾性が増して、今まで以上に肌に張り付くことがなくなりました。それに軽くなりましたよね。それを知って、上級生の中にも1年生に借りて着用している子もいるくらいです。

――― そうなんですね。生徒さんにも好評のようでうれしいです。実際にハーフパンツは競技ウェアと同等の性能を持っていて、約40%の軽量化を実現しています。

山田先生
それはすごいですね!
この進化は間違いなく、アスリートの身体能力を一層引き出してくれると思います。

――― 機能の進化に伴って若干デザインも変更していますが、違和感などございませんか?

山田先生
間近で見ると違うのがわかりますが、ほんの少しだし、違和感は全くないですね。今までと変わらずデザインに統一感があります。それがブランドの力なんでしょうね。

アスリート系の生徒が多く、運動着にこだわる生徒が多い聖光学院ならではのエピソードを伺うことができた。
「ADSSから送られた冊子(スクールカテゴリー・プレス)で、他校の様子を拝見して思いますが、ひと言でadidasの体操服と言っても学校ごとにイメージが違う。うちのadidasの色・デザインは、すっかり聖光学院のイメージとして定着した感じがします」という言葉からは、時代に合わせて進化を遂げるadidasの体操服に満足されている様子が伝わってきた。

授業だけでなく、部活着や日常着として。
生徒の身近にはいつもアディダスがいる。

「生徒目線」をなにより大切に考え導入されたアディダスの体操服。実際に着用する生徒や保護者からはどのような評価を得ているか、剣道部顧問の熊坂先生にお話を伺った。

「アディダスならではの三本線はもちろんですが、聖光学院のオリジナルマークも含め、デザインがカッコいいという声が多いです」。

剣道部では以前オリジナルの部活着を作っていたが、アディダスになってからは体操服を兼用するようになった。このような部は多いようだ。学校用品を揃える時期は春に集中しがちなため、保護者としては、部活動での出費を抑えられる。体操服のリニューアル当時懸念されていた経済性の面を払拭する、ひとつのうれしい効果といえるだろう。

以前のジャージと比較して、改善された点については、「まず、汗が乾きやすい。シャープな作りなので動きやすい。肌触りがよく濡れてもベタッとしないので、ストレスがかからない。肌に張り付かないので、女子生徒からも好評です」と、おっしゃった。

また、聖光学院には、100人ほどの寮生がいることについても言及された。体育の授業は普通科で週3回、工業科で週2回。さらに部活動でも着用する生徒も多いため、アディダスの体操服の出番は多い。「親元を離れて暮らす寮生は、当然自分で洗濯しています。朝練から放課後まで部活をしている寮生にとって、アディダスの速乾性は重要なポイントだと思います。寮の日常着にしている生徒も多くいます」とのこと。このように、生徒の日常に役立っているアディダスは、生徒たちの相棒としてすっかり定着しているようだ。

激しい動きにもしなやかに応える。
グラウンドで躍動するアディダス。

早朝のグラウンド。陸上部の朝練の場でも、アディダスの体操服が躍動していた。
「可動域が広いので、生徒たちは着心地がいいと思います。ふとももを高く上げる動作も問題ない。激しい動きにもついてきてくれます」と、長距離担当の平井先生は機能性を評価する。スタートダッシュを繰り返す生徒たちの様子を拝見すると、なるほど様々な走行フォームにフィットしている。部活の練習着として体操服は活用されているのがわかる。「背中の学校マークがかっこよくて、チームウェアのようだ」ともおっしゃる。

他校からの反応がよくわかるのは、学校の外で生徒が揃って体操服を着用する際だ。
そのひとつが、福島市の信夫ヶ丘競技場で開催される陸上競技大会。県北地区25校ほどの学校が一堂に介するこの大会に、陸上部は毎年、アディダスの体操服を着て遠征している。他校にはオリジナルのチームウェアを作っている学校が多くあるようだが、「この体操服は、学年ごとに三本線の色は違ってもアディダスのイメージで統一されているから、部員が揃うとチームの一体感がある。他校の先生から、『あれ?アディダスのチームウェア作ったの?』と聞かれることがあって、『いや、体操服です』と言うとすごくうらやましがられる」とのこと。

アディダスが部活生にも受け入れられているのは、「統一感」「一体感」のあるデザインも要因だが、アディダスの機能性がアスリートである生徒たちの目にかなっている点も大きいからだろう。

挨拶・奉仕・感謝の気持ち。
当たり前のことを徹底的に心をこめて。

聖光学院は昭和36年の創立以来、キリスト教主義に基づく愛の精神によって、様々な教育活動を展開しています。
具体的には「挨拶」「奉仕活動」「感謝の気持ちを伝える」ことです。挨拶については、学校を訪れる方皆さんが驚きをもって褒めてくださいます。先輩がしているから自分もする。そういう伝統になっているようです。

年に1~2度大雪の日には、生徒たちは放課後、アディダスの体操服を着て、シャベルを持って除雪作業へと飛び出します。アディダスの体操服は授業だけでなく、部活動、奉仕活動でも着用していますが、このように自発的に行動する生徒たちに、アディダスの体操服はよく似合っていると思います。

挨拶や奉仕活動に対して、多くのお礼や感想の電話や手紙をいただきます。私は礼拝の時に、このことを生徒たちに話すようにしています。感謝の気持ちをいただくことが励みになるのでしょう。挨拶も奉仕活動も、生徒たちにとっては「しないといけないこと」ではなく、「したいこと」のようです。

また、最近は「80/3mind」を学校のテーマにしています。
私は人生80年の中で、高校時代の3年間は人生を決定づける最も重要な時期だと捉えています。進学したい、資格をとりたい、スポーツを頑張りたいなど、生徒たちの夢は様々ですが、私たち教員は力を合わせて、生徒たちが最大限に能力を発揮できるように全力でサポートします。少子化の時代を迎えましたが、おかげさまで当校はここ数年、定員数を超えています。生徒たちには、高校生活で得た経験をもとに、常に高みを目指してチャレンジしてほしいと思っています。